江戸末期、幕府が地方の弱小藩を壊滅さすべく派遣した隠密“影”と、“影狩り”と呼ばれる三人の浪人との凄絶な闘いを描く。さいとうたかを原作・劇画の映画化二作目。脚本は「影狩り」の池上金男、監督も同作の舛田利雄、撮影も同作の金宇満司。
監督:舛田利雄
出演:石原裕次郎、内田良平、成田三樹夫、丹波哲郎、加藤嘉、夏純子、青木義朗、カルーセル麻紀、宮下順子、伊佐山ひろ子
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影狩り ほえろ大砲 (1972)のストーリー
徳川幕府末期、豊後、佐伯藩。“大砲の伊勢守”という異名を持つこの藩は、特に公儀より許され、大砲“四海波”を所蔵していた。ところが、作られてから百五十年、使いものにならなくなった四海波を、お家大事と思う砲術方が鋳潰し、新しい大砲を作り始めていた。公儀に認められた四海波を潰すことはもちろん、禁じられている大砲作りの一件が発覚すればたちどころにお家は断絶してしまう。折りも折、公儀より大砲改めの知らせがあり、同時に影一味が暗躍し始めた。城代家老、星野修理(青木義朗)はこれら影に対抗すべく“影狩り”三人衆、室戸十兵衛(石原裕次郎)、日光(内田良平)、月光(成田三樹夫)を招いた。新しい大砲はあと三日で完成する。その二百貫もこえようとする大砲を傾山に運ぶというのである。三人は鉄砲師、芝辻道斉(加藤嘉)の小屋に泊まり込み作戦を練った。ところが、三人がそれぞれ、地形の下調べに小屋を留守にしている間に、影一味が小屋を襲撃、道斉はじめ警備の侍たちを皆殺しにしてしまった。ただ十兵衛の気転で本物の大砲は井戸に隠し、図面も焼き捨ててあったので、影には何ひとつ渡されなかった。いよいよ出発である。執拗な影の襲撃を十兵衛たちはかわし、大砲は運ばれる。その頃城中では、影の主領堂本無格(深江章喜)が星野修理に大砲を引き渡せば藩を救う、ともちかけた。修理は藩のためなら、と承諾する。一方、この密約を知った十兵衛はこの期に及び裏切りは許さぬと影を全滅させた後、自ら大砲を破壊するのだった。