渡辺明の原作を、池上金男と宮川一郎が脚色し、江崎実生が監督した戦争もの。撮影はコンビの横山実。
監督:江崎実生
出演:石原裕次郎、伊藤雄之助、十朱幸代、伊藤るり子、玉川伊佐男、木島一郎、小松方正、潮万太郎、中尾彬、河津祐介
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逃亡列車 (1966)のストーリー
満鮮国境の図們は日本軍の軍需物資集積地で、図們駅の警護には独立鉄道第三十大隊があたっていた。終戦直前で戦局は日本軍に決定的に不利、関東軍の運命がソ連軍の出方にかかっていた時で、大隊は抗日ゲリラに悩まされていた。有坂少尉(石原裕次郎)が大隊に転属してきた時は、ちょうどソ連軍が図們を攻めてきた時であった。図們は最前線になったのである。大隊長黒丸(富田仲次郎)は有坂に札つきの工藤分隊を任せ、本隊は北朝鮮に撤退することに決めた。しかも、戦闘のどさくさにまぎれて脱走した岡(山内賢)の捜索と、奪われた武器の奪回も有坂に命じたのだ。有坂はこれを平然と受け、岡の捜索にかかった。岡はゲリラに射たれ、女医の倉吉麻美(十朱幸代)の所にいた。岡は重態だった。有坂は手術の経験のない麻美を力づけ、岡を助けようとしたがゲリラの跳梁が激しいので、一まず駅舎へ連れ帰った。その有坂を待っていたのは、日本降伏のニュースである。彼は避難民と兵隊の輸送のため、八月十八日午後八時までこの鉄道を守らなければならない。日増しに激しさを加えるゲリラの攻撃、そして逃亡者が相次いだ。やがて、あと三十時間以内に出発しなければ、清津を出る最後の輸送船に間に合わないという日、隣の駅を出た最後の南下列車がゲリラに爆破されてしまった。窮余の一策、有坂は構内に放置されたままの機関車に目をつけ、経験のある工藤に修理をさせたのだが、その材料のために武器を犠牲にしなければならなかった。しかしゲリラに捕まって有坂に救出された麻美が岡の手術に成功、その岡の口からゲリラが古機関車に武器を隠していることが分った。ゲリラがこの小さな駅を攻撃してくるわけを知った有坂はその武器で応戦、やがて、機関車の修理も終った。その上に乗った有坂の機関銃から火が吐く。そして列車は一路清津に向って驀進を続ける……。